格納庫 [ 7作品 ]
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西の勇者 (桂木忍著) ※サイト閉鎖(復旧予定なし)
ジャンル:異世界ファンタジー
長さ:大河/完結
紹介文:
ソードワールドの世界を使った長編ファンタジー小説。恩恵も愛情も与えられず孤独の中で生きていた少女、アーシェリナ。声さえも奪われた彼女が意思を通わせるのはただ1人、奴隷として傍に仕える少年セイン。彼らは、不遇の環境にありながらも何事もなく生きていた……運命が動いた“その日”まで。――個性溢れる主人公たちが何より魅力的。そして、彼らに紡がれる様々な「愛」が心を揺さぶる秀作。
冒頭文章抜粋: アレクラスト大陸の中原地方に位置するファンドリア王国。 その国は、影を背負う国。人はその国を混沌の王国と呼ぶ。 盗賊ギルド、暗殺者同盟。お世辞にも善良と言い難い組織が強い力を持つ。人身売買は当然のように認められ、一度裏の道に入れば安全の保障など誰もしてはくれないのだ。 何より驚くべき事が、通常淘汰されるべき存在である暗黒神ファラリスの神殿が、隅の方とは言え王都に堂々と建っている事だろう。国にその存在を認められたファラリス神殿は、世界中探した所でファンドリア以外には見つかるまい。 |
2002.02.20 現在
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夢の中の知らない知人 (桂木忍著) ※サイト閉鎖(復旧予定なし)
ジャンル:ファンタジー
長さ:大河/完結
紹介文:
“聖女”リーファは、その日も神殿を抜け出した。在るべき力も持たぬ“聖女”の名から逃げるために。しかしながら、彼女はまだ知らない――その名が紡ぐ、人々との「運命」という交わりの末に来るものを。
キャラクターの個性が光る異世界FT。守る強さと弱さ、愛する喜びと悲しみ、人と神、生と死……相反する全てのものがリンクし、読後に1つの感動を残していく作品。引きずられるようにハマりたい人には至極オススメ。
冒頭文章抜粋: 懐かしい感覚だ。 無のみの空間の中、どれだけの時間が経過したかなど少女には判らない。そして、そこを開放された瞬間の感覚を、なんと表現して良いかも判らなかった。 どのような言葉が相応しいのか――いや、言葉自体を、忘れていたのかもしれない。 ただひとつだけは理解できた。その感覚が、無の空間に閉じ込められる前までは、当たり前のように存在していた事。 だから少女は「懐かしい」とだけ思った。 |
2001.11.16 現在
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完全世界物語 (神楽坂司著) ※サイト閉鎖中(2度目のため静観致します)
ジャンル:近未来SFファンタジー
長さ:大河/連載中
紹介文:
全てが壊れさった世界……狂い、軋んで回る歯車の上を歩くように、狂った者≪キャリー≫を殺す日々を過ごす少年、黒川恵一。彼は車椅子の少女、香椎(かしい)由香と出会う。その出会いこそが、異能の力と力がぶつかる新たな“日常”の始まりだった。――少年漫画を彷彿とさせるテンポ、克明な描写の戦闘シーンが面白い。冒頭がやや入りづらいが、読めば読むほどハマれる作品。
冒頭文章抜粋: 空は鈍く重い灰色の雲に覆われていた。一人歩く街は、昼だというのに妙に薄暗い。陽射しから遮られた物陰からは、常に異様な物音が響いていた。悲鳴と喜悦のない交ぜになった声が耳を不快に刺激する。恵一はそれらを可能な限り無視しながら、ただ黙々と歩を進めた。足の裏に残る瓦礫の感触にすら、彼は確かな安堵を覚えていた。 |
2003.10.10 現在
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あれは八月の晩鐘 (ゆずさ著) ※サイト閉鎖中(後日復旧予定)
ジャンル:現代文学
長さ:短編/読みきり
紹介文:
老齢の衣子は朝早く、下半身を湿らせた気配で目を覚ます。薄暗がりの部屋の中で、動くこともなく天井を見つめる彼女は、息子の嫁が起きてくるのをただ待つが、その静謐な時間に彼女は母のことを思い出していた……。――1人の老婆の現在、回想を通して老いていく者・それを見守る者の心が描かれた文学作品。格調高い文章で綴られており、オンラインでも少ないジャンルであるが肩を張ることなく読める作品。
冒頭文章抜粋: 衣子の朝は早い。 まだ日もささぬ薄暗いうちから、衣子は下半身を生温く湿らせる不快感で目がさめる。最初に見えるのは薄闇に閉ざされた木目の天井だが、闇に慣れるのにひどく時間のかかる目では、長い間何かぼんやりした隔てが感じられるだけに過ぎない。最初に衣子を支配するのは、下半身への強い嫌悪感だ。麻痺し始めた嗅覚にすら、布団の中で動くこともかなわなくなった己の老いた四肢が、汚物で温められていることが伝わってくるのだった。 |
2003.08.04 現在
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DEMONIAC-imitator in the box- (桐山眞生著) ※サイト閉鎖(復旧予定なし)
ジャンル:近未来SFファンタジー
長さ:長編/完結
紹介文:
近未来の香港・日本を舞台にした、ガン&サイキック・アクション。ウイルスによる異能者『悪魔憑き(デモニアク)』が存在する世界に生きる、腕利きの戦闘請負人シズヤが脅迫じみた呼び出しを受けたのだが……。
キャラと世界観、男性キャラがとにもかくにもカッコイイ。
冒頭文章抜粋: それが結末を迎えたのは、いつもと何ら変わりのない夜のことだった。 その夜、月は厚い雲に阻まれ、その青白い光を地上に降り注ぐことはついになかった。 黒々とした海は、肌を突き刺すような夜風に撫でられ、波打つ水面から囁かれる波音がいつもより心持ち寂しげに響いていた。 潮とオイルとさびた鉄の匂いが漂い、波と風の音しか聞こえない朽ちた埠頭……普段はただそれだけの場所に、この夜は幾つもの銃声が轟き、銃火が瞬き、争うような物音がせわしなく聞こえていた。辺りには、硝煙が夜霧のように立ち込めている。 |
2003.08.04 現在
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二人王子 (卯波カヲル著) ※サイト閉鎖(復旧予定なし)
ジャンル:ファンタジー
長さ:長編(?)/連載
紹介文:
双児は災厄の先触れ、と語り継がれる国に生まれたサラディン。彼は、双子の兄、トレヴィルを残し、新天地へと旅立つことを決意する。不安と期待を胸に秘めて。――重厚な雰囲気を醸し出している異世界FT。独特の世界観を背骨の通った文章で見せた作品。平常文における語彙の使い方は詩的で流麗、正統派ファンタジーが好きな方に一読必須と言いたい。
冒頭文章抜粋: 新たな旅立ちの朝であっても、天は地上の騒ぎが届くこともなく平穏に、わずかな雲をともなって君臨している。つい十日ほど前までは、厚く濁った雪雲が空本来の紺碧を鈍らせていたというのに、天上は自身を見失うことがなかったようだ。どこまでも透き通 る途方もない彼方、導かれ高く飛び立つ朝鳥たち。暁が夜のベールを押し開き、遠くに望む山嶺さえも明るく染める。それでも、こうも安らかであるのは、春の使徒たちが間近にいるせいかもしれない。三月中旬である。 |
2003.08.04 現在
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黎明の息子たち (ゆずさ著) ※サイト閉鎖中(復旧未定)
ジャンル:現代もの
長さ:短編/読みきり
紹介文:
独特な文章が特徴的な短編。
文学作品の雰囲気を匂わせる文章表現と、強引ではないが確かな牽引力を秘めた作品。読者的に肌の合う・合わないはありそうだが、不思議と落ち着く話。
冒頭文章抜粋: そして一日目。 「ねえ君、悪いけど何か薬はないかなあ、こう、切り傷なんかに効きそうなさ」 と、少年は言った。ダッフルコートから伸びた彼の左腕からはぼたぼたと血が垂れて、アスファルトの上に楕円を重ねた染みを作っていた。庭の雪を掻いていた娘は、彼のその腕の様子を数秒じっと視凝め、それから家のなかに入った。 |
2003.08.04 現在
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格納庫 [ 6作品 ]