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神々の系譜 (ゆずさ著) 作品直リンク(※DL配布限定) HOME
ジャンル:ファンタジー
長さ:大河/連載(不定期)
紹介文:
「神よなぜ……」――神に問い、自らに問う。大切な人を守るためにただ前を見つめ歩いていこうとする少年と、世界を知らずに孤独な中で懸命にもがき生きてきた少女の物語。
言葉と、言葉にならぬ心を巧みに描いた内面は元より、風の香りと土の温もりを感じる風景描写も秀逸。活き活きしているキャラクターたちに目も自然と釘付け。
冒頭文章抜粋: 「僕が行きます」 初め、そう申し出たのは自分だったように思う。 王宮の儀式に、高熱をおして出ようとするエリナスが哀れで、ついそう言った。 はるか美しき北の国、ルカナーマには発展した都市は少なく、豊かな森と大いなる山の資源で人々の生活は成り立っていた。国には多くの鉄鉱山があり、刀剣や農具の精錬が盛んだ。肥沃な大地には果樹園が果てしなく続き、郊外には大きな養蚕の家々が軒を連ね、織機の音がせわしなく響いていた。人々は敬虔で清貧を好み、勤勉で純朴だった。年に四度ある祭りのとき以外は騒ぐことを知らず、夜は虫の音だけが豊かな草生えの下から聞こえた。 |
2004.02.01 現在
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